「口腔機能の向上」への取り組み
~看護師の立場から~
【はじめに】
平成18 年4 月の介護保険法改正において、「口腔機能の向上」が導
入された。要介護度の重度化に歯止めをかけるべく、食の入り口であ
る口腔への対応が迫られた。おいしく、楽しく、安全な食生活を営め
るよう、機能向上および口腔衛生の改善を目的とするサービスである。
【方 法】
当法人、通所施設の利用者で口腔に何らかの課題があり、同意を得た
利用者、延べ17 名を口腔機能向上の個別サービス対象として実施した。
【結果及び考察】 ① 対象者延べ17 名 ② 実施期間
| 実施期間(ヶ月) | 12 | 11 | 10 | 9 | 8 | 6 | 5 | 3 |
| 人数(名) | 1 | 1 | 3 | 1 | 1 | 2 | 3 | 5 |
| 変化項目 | 衛生状態 | 吐き出し | 口唇閉鎖 | 流涎 | 唾液粘度 | むせ | 声の明瞭化 | 義歯案定 | 接摂取量 | 発語 | スプーンを握る | 食形態向上 |
| 改善 | 17 | 2 | 2 | 0 | 1 | 9 | 3 | 3 | 2 | 1 | 2 | 3 |
| 維持 | 0 | 15 | 15 | 16 | 15 | 6 | 13 | 14 | 14 | 16 | 15 | 12 |
| 悪化 | 0 | 0 | 0 | 1 | 1 | 2 | 1 | 0 | 1 | 0 | 0 | 2 |
改善がみられた利用者は、訓練(5分間の集団健口体操)への積極的な参加や家族の
協力、また訓練だけでなく日々の声かけなど、関わり頻度が多いほど効果があがった。
逆に改善がみられない理由として、利用者自身の関心度が少なく訓練に消極的で集団健
口体操への不参加がめだった。また利用頻度が少ない方も同様、健口体操を受けておら
ず思うような改善には至らなかった。
【結論】
改善度を分析した結果、口腔衛生状態は全員に改善がみられた。がサービスを終了し た途端、悪化がみられたのも事実で支援の継続という点では今後の課題である。 機能面において優位差が著明となったのは、介護職員による(または家庭での)毎日、 5分前後の健口体操が改善度の重要な鍵を担っていた。今後の課題として、不参加者、 利用頻度の少ない方に対して、関心度、理解度を高め、毎日継続して実施できるよう支 援していく必要がある。 口腔機能向上サービスを実施するにあたり、改めて他職種との連携の重要さを痛感する。 一人の利用者を支援するためには、本人はもちろんのこと家族、いろいろな職種の方と の協力連携のもと、統一した見解で目的に向かう必要がある。今後も歯科衛生士として 食支援という歯車の一部となり利用者の良きサポーターとして努めていきたい。
沖縄県歯科衛生士会会長
特定医療法人 アガペ会
「お口のリハビリ課」専任歯科衛生士